明るい部屋の写真

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昭和40年代始め、まだ全通していない環八通りに沿う瀬田に、学校に近いとの理由から下宿をしていた。利用する東急上野毛駅に周縁し広がる高級住宅地上野毛の瀟洒で格調の高い街並は、私が生まれた下町深川とは風情が全く異なっていた。多摩美大前を乳母車を押し散歩する高島忠夫夫妻と度々すれ違った。上野毛駅から1キロ以上離れた瀬田は深川に似た庶民の街となっていた。三畳の下宿の真冬の厳しい寒さを、いま思い出す事が出来ない。部屋の火の気は電気コンロが一つ。課題六つ切りプリント提出前夜は真冬でも遮光の楽な徹夜の作業。電気コンロの上に仮説のテーブルを置き、現像、停止、定着液の液温を保持した。
プリント作業が終わり、水洗作業の始まる午前5時前後が格段に冷え込む。冷水に固まって行く指先で、バットの中のプリントを流水で1時間30分程の水洗作業。45センチ四方の電熱乾燥機で乾燥作業を終える頃には指先の感覚も戻る。仕上がりの良いプリントにほくそえみながら仮眠をとる。敷き布団の下に、掛け布団の上に新聞紙を二重三重に当て被せ、ガサゴソと眠りにつく。この様にも在った銀塩プリントの作業プロセスを、現在まで一度も辛いと想ったことは無い。簡単に過ぎるのだがフイルム写像を作る行為は非日常に時間/領域のものであるように思う。
今でも作品制作は6×6ネガフィルムを使う。しかし現像は現像所、数日でネガフィルムが手元に届く。
ここからは、レイヤー合成写真制作の解説にも入ります。
フィルムを3200dpi程でスキャニング。8ビット65MB前後の画像データに変換します。このデータをjpgに変えipadに取り入れます。ipadにダウンロードしてある5種類程のエフェクターアプリを使用して、約40枚程の加工画像を制作します(レイヤー合成写真制作no-1)。
カラー写真であれモノトーン写真も、現在は暗室ではなく、間接光の良く回った明るい部屋が必要です。色相/色彩の訴求力判断、モノトーンの黒にも色相があります。画像のコントラストは表象の皮膚感覚ゆえに判断には明るく柔らかな光の確保が重要です。
現在の部屋は日当り良好の5F南西向き(ベランダから晴れたら何時も富士山が)、南西向き故にきつい光の放射に曝され、“現在”の写真作業に厳しい状況です。
真南に向いた日当り良好の3Fの部屋を近所に見つけ、1/20に引っ越します。
新しいプリント表現を目指す者にとっては、高額なデジタルカメラの購入に上位する行動と考え、引っ越しの準備の渦中ですが、この際に断捨離をと考える私と、出来れば何も捨てたくない連れ合いとは、一触即発状態です。

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